心療内科ってなぁに? 第14回 “咳症状”と“ストレス”との関係③

“咳症状”と“ストレス”との関係③

“緊張”→“過敏になる”→“過敏に反応してしまう”
(緊張があると過敏になる、そして過敏に反応してしまう)

“ストレス”によって、「神経」が“敏感になる”“過敏に反応してしまう”ことは科学でも示されています。

“ストレス”が強すぎたり長く続いたりすると、外界の刺激を感知する受容体(レセプター)が「神経」の末端で増える、という事がわかっています。また、“ストレス”の後に気道表面を刺激すると、通常では反応しない量の刺激物質に対して反応するようになる、という事もわかっています。

ここでもう一度、“長く続く咳”の患者さんについて振り返ってみましょう。

長く続く咳

「気管支喘息(喘息)」や「咳喘息」の患者さんは、季節の変動、気温の変動、湿度の変動、気圧の変動などで、症状が生じたりひどくなったりします。 時には、「パートナーとケンカをしたときに喘息発作が出ます」「イライラしたときに調子が悪いです」と話される方がいます。

“風邪を引いた後咳症状が続く”という患者さんは、“咳”症状が長引いても、3週間過ぎるころにはほとんどが治まります。

なかなか症状が良くならない、風邪をひいた後から咳がずっと続いています、と話される患者さんの中には、 「そういえば4、5年くらい前からよく咳をするようになりました」「2、3年前から“咳”が長引くようになりました」 「去年から、寒くなると、風邪をきっかけに咳をするようになり、暖かくなるまで咳が続きます」このように話される方がいます。

そのような方々は“緊張”→“過敏になる”→“過敏に反応してしまう” ため、“咳”症状が悪化しやすい、治りにくいという状態になっているかもしれません。

“長く続いている咳”でお困りの方は、“ストレス”があるかも、と振り返ってみて下さい。
もちろん呼吸器の病気が隠れているかもしれないので、検査は受けて下さいね。

国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉