「脳の異常」と身体の症状②
“ストレス” = “強い情報”は「脳」で処理されています。
ストレスが多かったり、長く続いたりすると、「脳に異常」が生じます。そして、脳に異常があると、「神経」を介して様々な臓器に異常が生じ、動悸・息切れ・咳・食欲不振・ムカムカ・下痢・めまい・肩こり・筋肉痛など、色々な症状が現れます。
それから、「心療内科」の症状で特徴的なのは、これらの症状は、多くの場合に“同時にでる(セットで現れる)”ということです。
例えば・・・
- 「動悸」のある患者さんは、息切れ、過換気、食欲不振、肩こりの症状を同時に感じています。
- 「慢性咳嗽」の患者さんは、ムカムカ、胸やけ、肩こり、めまいの症状を同時に感じています。
感じている症状は患者さんそれぞれで違いがありますが、よく聞いていくと、上記のような症状がいくつも出ていることがあります。
色々な症状が同時にでる理由
どうして、色々な症状が、同時にでるのでしょうか?
「脳」は「神経」とつながっています。この答えだけで、ピンときた方もいると思います。
「脳」と「臓器」は「神経」を介してつながっているので、「脳に異常」があると、つながっている「臓器」に、同時に悪い影響が及んでしまいます。
そのため「脳に異常」があると「臓器」の異常が同時に生じ、色々な症状が同時にでてしまうのです。
例えば、動悸・息切れ・咳・食欲不振・ムカムカ・下痢・めまい・肩こり、これらの症状に加えて、抑うつ症状・不安症状も同時に生じることがあります。
個人によって、症状の出方・感じ方や強さの違いはありますが、診察時に詳しく聞いていくと、複数の症状が同時に現れている場合があります。そして、これらの症状は「脳の異常」が改善していくと、同時に良くなっていきます。
「心療内科」では、これらの症状を診ています。症状が多岐にわたって出ている時、または、症状が色々と変わる時は、「心療内科」の症状では?と疑ってみてください。
国立病院機構 福岡病院 心療内科 平本 哲哉